ヨーロッパから日本への呼びかけ:ケージフリーに切り替えるべき

以下は、Eurogroup for Animals(ユーログループフォーアニマルズ)という動物保護団体からのケージフリーの要望書であり、ヨーロッパから日本に対する期待が書かれています。弊組織Mercy For Animalsは、許可を得た上で日本語で公開しています。原本(英語)をこちらからご確認いただけます。

今こそ、日本は、世界各地でケージフリー鶏卵および鶏肉の生産への切り替えを確約する時期になりました。コミットをしないと、G7諸国よりさらに遅れている状態が続きます。

鶏卵・鶏肉の業界の状況は​​急変化しています。世界からの需要の高まりによって、「ネスレ」、「ケンタッキーフライドチキン」や「バーガーキング」などの一流のグローバル企業が、ケージ飼育を終了することを約束しており、すでに世界中の大手企業から130以上のグローバルケージフリーの公約をしています。

同時に、世界中の各地域ではその他の変化も起きています。米国では、2016年時点でケージで飼育される鶏が90%でしたが、2023年5月の時点ではこれらが65%まで減少し、今後の5年間でさらに30%まで減少する可能性が予想されています。また、英国と欧州連合でも同様の変化があり、後者は家畜動物のケージ使用を2027年まで段階的に廃止する法律を導入します。

一方、日本は動物福祉において他G7諸国より大幅に遅れています。英国の動物愛護団体「World Animal Protection」は、「動物保護指数(Animal Protection Index)」では各国の動物の保護状況を調査して、2023年4月に公表した結果、日本の家畜保護に関する評価が「G」評価を得て、G7諸国よりはるかに低いランクが付けられました(Aが最高評価でGが最低評価)。

採卵鶏に関しては、約94.3%の日本の養鶏場は「バタリーケージ」という金網の狭いケージを使用しています。これらバタリーケージの中で数羽が詰められ、負傷や痛みが生じ、翼を広げるなどの自然な行動をとることができません。さらに、クチバシの切断(デビーク)、強制換羽を禁じる法律はなく、また、屠殺の前にガスなどで意識を失わせるスタニング処理も義務付けられていません。

G7サミットは2023年5月に広島で行われ、そして大阪で国際博覧会が2025年に開催される中、ケージフリーの運動を支援し、アニマルウェルフェアに関する評判を上げる時がきました。サステナビリティのリーダーである日本は、劣悪なアニマルウェルフェア基準が環境、気候変動と生物多様性を損なうことを認めなければなりません。ケージを使用する養鶏場も、大気汚染や水質汚染、森林破壊、生物多様性の損失、化石燃料の使用など、生態系に甚大な損害を与えてしまっています。

また、ケージ飼いの養鶏場は、食べ物の安全性や抗菌剤耐性にも影響があります。欧州食品安全機関によれば、サルモネラ菌に汚染される可能性は、ケージフリーと比べてケージ飼育方法の方が25倍も高いとされています。また、汚染、生物多様性の損失、気候変動による人間、自然、動物の存亡の危機は、コロナウイルスの経済的と社会的破壊的影響と相まって、日本と動物との関係を見直す緊急の必要性を示しています。

米国やEUにおける変化、そして大企業によるグローバルケージフリーコミットメントからわかるように、世界はケージ飼育から急速に離れつつあります。日本は遅れを取りたくないのであれば、早急に行動を起こさなければなりません。例えば、農林水産省は、関係ステークホルダーと連携して、ケージフリーへの移行を推奨する動物福祉ガイドラインを作成すべきです。

また、日本は他の国々の過去の事例と経験を活用できます。特に、欧州連合との自由貿易協定に動物福祉に関する協力メカニズムが含まれていますが、これはまだ十分に活用されていません。欧州連合は2012年にバッテリーケージを禁止し、2027年までに完全なケージ禁止を約束しています。その経験を日本と共有し、日本の当局とともに、ケージフリー畜産への移行方法に関する生産者向け研修を開催できます。また、持続可能な金融を通じて、国際的な銀行がこの変化を支援するよう働きかけることもできます。

日本の動物福祉、特に卵を産む鶏については改善の余地があります。日本のサステナビリティへの取り組みは、動物福祉を改善することによって強化され、また、欧州連合から知識と経験を共有できます。
ー フランシスコ・ゲレイロ(欧州議会議員)より

日本は、政治的な意思と資源で採卵鶏と肉用鶏の動物福祉基準を向上させることができます。これによって、将来の危機に対する耐性を強化し、サステナビリティのグローバルリーダーとしての評判を確固たるものにすることができます。今後数年間、人間と家畜の将来性を向上させるために、これらの行動を起こさなければなりません。