キユーピーがケージフリー卵への切り替えを約束

マヨネーズで世界的に知られている「キユーピー」は、2024年10月に国内外のマヨネーズサプライチェーンにおいてケージフリー卵への切り替えを宣言しました。この宣言により、キユーピーは、日本国内およびアジア全体におけるアニマルウェルフェアの改善に向けた大きな一歩を踏み出しました。

キユーピーはケージフリー卵への移行

キユーピーが発表した方針には、いくつかの具体的な目標が掲げられています。まずはマヨネーズのグローバルサプライチェーンにおいてケージフリー卵の使用割合を2027年までに10%へ引き上げさせることを目指し、2030年にはさらなる目標を設定して公表する予定です。また、日本国内のマヨネーズに関しては2030年までに20%ケージフリー卵に切り替えることを宣言しています。

マヨネーズや一般消費者用の食品のみでなく、鶏卵加工品の生産者として、他の食品会社にも製品を提供しています。キユーピーは国内のケージフリー卵の供給が広がるように、生産者のケージフリー飼育の拡大にも取り組み、10年間で日本の鶏卵市場においてケージフリー飼育の割合も引き上げることを目指しているとのことです。これにより、他の日本の企業にとっても、ケージフリー卵の導入がより現実的なものとなるでしょう。

さらに、ケージフリー卵の調達が困難な地域では「インパク・インセンティブ」というケージフリークレジットの仕組みの活用を検討していることも公表しています。ケージフリークレジットは持続可能なパーム油(RSPO)の認証に似た制度であり、クリスピー・クリームやコンパス・グループなどの多国籍企業はすでに採用しています。

キユーピーのケージフリー宣言がもたらす影響

キユーピーは日本国内で生産される鶏卵を約10%使用しています。その規模を考慮すると、ケージフリー卵の導入は非常に大きな影響を与えることになります。現在、日本の卵市場におけるケージフリー卵の割合は5%未満にとどまっており、この動きが広がれば、他の企業にも同様の取り組みを促す可能性があります。

現時点でキユーピーが掲げている目標により、少なくとも約2億個のケージフリー卵が使われており、数百万羽の採卵鶏が狭いケージから離され、採卵鶏の苦痛が大幅に軽減されます。アニマルウェルフェアの観点から非常に有意義な取り組みとなります。キユーピーは、アニマルウェルフェアとサステナビリティにおいて他社の模範となり前向きな姿勢を示していると考えています。

また、上記にも記載しているように、キユーピーは鶏卵加工品の生産にも関与しており、業務用のケージフリー製品もより多くの企業に提供できるようになります。これにより、キユーピーの顧客である食品企業もケージフリー卵の採用に踏み切りやすくなり、全体として業界全体の変革を促進することが期待されます。

なぜキユーピーはケージフリー卵の導入を決定したのか?

キユーピーは、アニマルウェルフェアの重要性を認識しており、多くの食品企業と同様に、動物福祉の基準である「5つの自由」を自社のウェブサイトでも掲げられています。しかし、具体的な行動に移すことが少なく、国際家畜保護団体Mercy For Animalsをはじめ、国内外のNGOと対話を重ねてきました。

2024年6月、国際動物保護団体の「オープンウィング・アライアンス(OWA)」からのネガティブキャンペーンの圧力を受けて、キユーピーはケージフリー卵導入の決定を公表しました。日本国内外での消費者からのオンラインや現地での抗議、50,000人以上の署名、さらにはOWAとの交渉の結果、キユーピーはこの決定に至りました。

キユーピーのケージフリー卵への移行は、数百万羽の採卵鶏が狭いケージから離れ、アニマルウェルフェアの向上にとって大きな一歩となります。

ケージフリー卵のメリットとは?

現在、世界中のほとんどの採卵鶏は、羽を広げるスペースもない「バタリーケージ」と呼ばれる狭いケージで飼育されています。バタリーケージは金属製のワイヤーケージで、1つにつき最大10羽の鶏が閉じ込められています。バタリーケージに閉じ込められている鶏は、巣を作るスペースや適切な資材が不足しており、骨折やその他の深刻な怪我と病気に苦しむことになります。Welfare Footprint Project(ウェルフェア・フットプリント・プロジェクト)の研究によると、ケージ飼いの鶏は生涯で平均11,207時間もの苦痛を経験すると推定されています。

一方、ケージを使用しない「ケージフリー」の飼育方式では、採卵鶏が自然な行動を自由にとれ、ケージ飼いに関わる問題を大幅に軽減できます。なお、キユーピーのネガティブキャンペーンから分かるように、世界中の消費者はケージフリーのメリットを理解し、食品業界においてケージ飼育からケージフリー飼育への移行を要求しています。

サステナビリティや環境問題への取り組みと同様に、アニマルウェルフェアの向上を目指す方針を策定し公開することも重視されるようになっています。企業のケージフリーの卵の宣言は、ステークホルダーの関心に応えるだけでなく、ステークホルダーの信頼を確保するためにも重要です。

Mercy For Animalsと協力して、アニマルウェルフェアを改善しましょう

Mercy For Animalsでは、アニマルウェルフェアの向上を実現するために、コーポレートエンゲージメントを通して、ケージフリー卵への移行などのアニマルウェルフェアに配慮した方針の導入や改善をするよう、食に関わる企業に対してサポートをしております。これまでMercy For Animalsは100以上の多国籍企業と協力し、企業の動物福祉の取り組みにより、年間約9億5,400万頭の動物の飼育環境が向上しています。

ケージフリーポリシーの導入に興味をお持ちの企業様は、以下のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。

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